Saturday, December 31, 2011

My Prince Charming



大地震の日、わたしはホテルニューオータニにいました。
着付教室の終了パーティー中で、400名の生徒さん+先生方+業者の方々と共にいました。

ちょうど先生方がステージ上に上がっていて、生徒代表者たちが感謝の思いと伝えていたとき、大きな揺れがやってきました。 

いつまでもやまない揺れ。 左右に大きく揺れるシャンデリア。 天井からは季節はずれの粉雪のように、埃りが舞い降りてきました。 


とっさに思ったのは、お世話になった先生を守らなくちゃ!

わたしは同じクラスの生徒さん数名と一緒にステージに走りました。 先生をステージから降ろして、一番近いところにあるテーブルの下に、先生を押し込みました。 そして、ずっと先生の手を握って、「大丈夫です」と言い続けました。 先生の手はとても冷たくなって、震えていました。 

一体どうなってしまうんだろうと思いつつも、とても冷静に状況を見つめていたことを思い出します。

揺れが収まったあと、ホテルの方々の誘導に従って、外へ避難しました。 約400名の着物姿の人たちがホテル前の広場に集合した様子をみて、わたしは不謹慎にも、「わぁ、キレイ!」と思ってしまいました。

次の瞬間、ホテル前に停められた1台の車に気がつきました。 彼が、わたしを迎えにきてくれていたのです。 先生や同級生に申し訳ないと思いつつも、わたしは車に飛び乗り、そしてホテルをあとにしました。

わたしたちは、歩道に立ちすくむ人たち、バス停に並ぶ人たち、タクシーを待つ人たちを横目に、自宅への道を急ぎました。渋滞はまだありませんでした。

約30分ほどで、自宅に到着し、そしてお腹が空いていたので、近所のデニーズで食事をしました。 その時のわたしたちには、この地震がどれほど大きな被害をもたらすのかなんて、想像もつきませんでした。 ただ、一緒に、そして無事に帰宅できたこと、それに安堵していました。

もし彼が迎えにきてくれなかったら・・・わたしは何時間もかけて帰宅しなくてはいけなかったでしょう。 着物で、草履で、歩いて帰ることを想像すると、ぞっとします。

わたしにとって彼は、白馬に乗った王子様です。 そして、この日をきっかけに、わたしたちの関係も、新しいステージに上がった気がします。 

今年1年間、愛と忍耐をありがとう&来年もどうぞよろしくお願いします。

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